暮らしやすい間取りについて

2021.08.11 wed

暮らしやすい間取りとは?

家づくりを注文住宅で計画をする上で、最も身近で気になることは「間取り」のことではないでしょうか。「建売住宅」や「マンション」を購入する場合は、すでに間取りは決められてしまっているので、注文住宅のように「間取りを自由に決められる」ということは大きなメリットだと思います。

では、どんな間取りが暮らしやすい良い間取りと言えるでしょうか。もちろん、暮らす方のスタイルや好みによって何が最適なのかは様々です。誰にとっても「こんな間取が一番良い」とは言えないと思います。そこで、今回は「どういう考え方で間取りを決めていけばよいか」のアドバイスをしたいと思います。

設計をする立場から見ると、良い間取りを作るためには3つの大きな要素があります。

1.暮らし方のこと

2.敷地のこと

3.予算のこと

この3つをそれぞれしっかりと抑えながら、その家に暮らす家族にとってトータルで満足できる間取りを考えるのが設計者の仕事でもあります。それを事前にお客様自身が理解し、整理しておくことで、スムーズに良い間取りが出来上がります。

1.暮らし方のこと

これは、新しい家に暮らす方にとって一番大事な要素です。

まず、この前提条件として家族構成があります。ご夫婦にお子さんというケースやご両親と二世帯住宅もあります。また、年配になってご夫婦のみの終の棲家としての暮らし方もあります。それぞれ、家族がどのように暮らしていきたいのかを考えてみましょう。

考えることはたくさんありますが、その中でも重要なポイントを3つ挙げてみます。

A.みんなが集まる場所とプライベートの場所=LDKと個室の考え方

B.暮らしを楽しむ場所=趣味などの考え方

C.収納の場所=見せる収納と隠す収納の考え方

これらをしっかりと抑えることで全体の間取りの軸が決まります。

A.みんなが集まる場所とプライベートの場所について

多くの場合、みんなが集まる場所としては、リビングを中心にしたLDKが考えられると思います。そのLDKで何をしたいのかをしっかりと考えてみましょう。

「ソファに座ってテレビをみたい」「ダイニングを中心に食事を楽しみたい」「料理をしながら家族の様子を見渡せたい」というようなことですね。

例えば小さなお子さんがいる場合は、「勉強もリビングでやってほしい」という方や「学校から帰ってきたら必ずリビングを通ってから個室に行ってほしい」というような方もいらっしゃるでしょう。これは教育方針にもつながることで、ご自分の家の間取りをどうするかによってその方針がお子さんに浸透するか否かも決まります。

具体的にいうと、前者であればリビングにデスクコーナーを設けたりダイニングテーブルを大きめなものが置けるようにしたり、ということです。そうすることで、自然とリビングで勉強するようになります。そして、家事の合間にお子さんの勉強を見て褒めてあげることで、お子さんは俄然やる気を増してくるものです。

後者であれば、2階への階段をリビングに設けて、いわゆる「リビング階段」にするということです。そうすることで、必ずリビングを通り、そこで親子のコミュニケーションが生まれます。どんな友達を家に連れてくるかも確認できるという利点もあります。

もちろん、そうでない大人の家族もあるでしょうから、それぞれで考えてみてください。

次に、家族のそれぞれが持つ自分だけの場所をどう考えるかということです。

既に大人になっている家族の場合は、最初からしっかり個室のことを考えて間取りを作れるので良いですが、お子さんが小さい場合は、将来のことをどう考えるかが大事になります。子供のころはプライベートの個室よりもリビングなどの家族みんなで集まる場所を重要視して暮らしたいという方が多いと思います。その方が大人になってもリビングに家族で集まる習慣がお子さんに定着すると思います。

個室についても「お子さんが二人いても最初はワンルームで」というパターンをよく聞きます。しかし将来になればそういうわけにもいかないので、ドアを2つつけておいて将来的に仕切れるようにしておくということも大事ですね。また収納で仕切れるようにして音も伝わりづらくできるように考慮した子供部屋にしておくことも大事だと思います。

部屋の大きさについては、これも習慣で小さければ小さいなりに子供は考えていくものです。あまり子供部屋が大きいとそこで完結してしまって、成長するとリビングに集まらなくなるという可能性もあります。

そして、このリビングと個室のつながりをどう考えるかが重要です。

例えば吹き抜けをつくることでそれらはとても近くなります。声や音も少し漏れますが、それも家族の息遣いとして利点と考える方にとっては、吹き抜けはお勧めです。しかし、そう思えない方にとっては、吹き抜けはデメリットと感じるかもしれません。

ちなみに、建物の工法や性能によってもここは変わります。エアサイクルの家のような家全体で空気を循環させて快適に暮らす考え方の家にとっては、吹き抜けはとてもメリットが大きいということにもなります。

B.暮らしを楽しむ場所について

Aでは普段の生活自体を軸に考えてありますが、これに加えて「暮しを楽しむ」という要素を是非取り入れてほしいと思います。

例えば、趣味を楽しむスペースなどです。趣味が「音楽鑑賞」や「映画鑑賞」だったり「料理」「お菓子作り」の場合、基本はLDKが主になると思いますが、そこで、どんなエッセンスを加えるかです。「家族だけで楽しむ」のか、「友達を呼んで楽しむ」のか、または「自分ひとりで楽しむ」のか、それぞれ異なります。

最近はリモートワークが増えているので、場合によっては書斎のようなスペースも重要かもしれません。純粋に趣味だけを楽しむだけの場所ではありませんが、プラスアルファの空間として検討しても良いと思います。

その他にもアウトドアが好きな家族であれば、庭に「ウッドデッキ」を設けてリビングとつなげることで、自宅いながらバーベキューなども楽しめます。車が好きな方は「ガレージスペース」をどう考えるかということなりますし、庭いじりが好きな方は「家庭菜園」をどう作ろうかという話になり、家の間取りだけでなく庭を含めてどう考えるかまでつながっていきます。

これを考えるとワクワクしてきて、家づくりも更に楽しくなると思います。

C.収納について

最後に奥様にとっては非常に大事なテーマでもある「収納」についてです。もちろん、収納はたくさんあったほうが良いのは当たり前ですが、床面積が同じであればその分居室空間が狭くなるということですので、バランスを考えていく必要があります。

その際に、ポイントとなるのが「見せる収納」と「隠す収納」という考え方です。

魅せる収納であれば、居室の中に存在していても違和感はありませんが、隠す収納であればできるだけ目立たないように居室空間とは別に考えなければいけません。それをバランスよく考えてほしいです。

あとは、「壁面の収納」と「ウォークインの収納」との違いも理解しましょう。

床面積に限りがある場合は「壁面収納」の方が効率良いです。「ウォークイン収納」の場合は人が立つ場所も収納スペースの中に必須なので、床面積に限りがある場合はそれが無駄になってしまいます。ただ、これも「収納全体を隠してその中で完結する」という意味ではメリットもあります。最近は玄関にシューズボックスではなく、シューズクロークを設ける方も増えています。シューズ以外のものを、全部ここに収納できる便利さが評価されていると思います。いずれにしてもバランスが大事です。

また、間取りによってはロフト空間なども収納スペースとしては有効です。床面積を増やすよりもリーズナブルにできるので、検討しても良いかもしれません。

2.敷地のこと

これはその敷地の特徴に合わせて決まる部分のことです。

「玄関のアプローチの位置」や「リビングの向き」など、道路付けや敷地の方位によって必然的に決まることも多いと思います。他にも「眺めが良い方向」や逆に「見られたくない方向」なども最初の段階で抑えておくと良いと思います。

また、庭の考え方にもつながりますので、「ガレージスペース」や「ウッドデッキ」、「家庭菜園」など暮らしを楽しむ要素も含めて考えてください。

3.予算のこと

これも必然的なことですが、予算に応じて可能な建物の面積も決まるので、間取りを考える際には資金計画は把握しておきましょう。そして検討している会社の価格によってどのくらいの大きさの面積が可能かを共有しながら設計を依頼するとスムーズに進むと思います。

また、予算を考えてできるだけ効率の良い間取りにするという考え方も重要です。できるだけ廊下を作らないとか、収納は壁面に作るとか、暮らしやすさを考えながらも無駄なスペースをできるだけなくすということです。

家を建てる方にとって、暮らしの考え方や敷地条件、ご予算はそれぞれ異なります。

冒頭にも述べましたが、注文住宅の場合はそれぞれの家族にとって最適な間取を作れることがとても大きな長所であります。

しかし、なかなかそれをイメージができにくい方には、スタンダードな間取を見ながら考え方を整理するという方法もあります。

エアサイクルの家では「木-Lism」という企画プランがありますので、そんな場合はまずはそれを参考にしていただくこともお勧めしています。これはエアサイクルの家の特徴を生かした間取りをベースとしていますので、それに自分たちの暮らしや敷地条件などを当てはめながら間取りをイメージしてもらえると幸いです。

いずれにしても一生で一回の大事な家づくりですので、満足できる間取りが実現するためにしっかり考えを整理していただけると良いと思います。

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