健康な住宅とは

2021.06.30 wed

健康住宅について考える

今回は健康住宅についてお話ししたいと思います。

新しく建てる家は、家族が健やかで快適に暮らすための家のはずなのに、何かを間違ってしまうと健康を害してしまう不快な家になってしまうことがあります。

これから家を建てる方にとって、健康で快適な暮らしを実現するために覚えおいてほしいことがありますので、ここでいくつか解説したいと思います。

健康住宅とシックハウス

まず、健康住宅について話をするときには、やはり「シックハウス」という言葉は外せないと思います。一時期大きな社会問題にもなったこの「シックハウス」は、建物に使われる新建材等から発する「ホルムアルデヒド」などの有害化学物質や、ダニやカビなどの「アレルゲン」の発生によって、その家に暮らす方にアレルギーなどの健康被害が生じるというものです。特に小さいお子さんの「アトピー」などは、そういう家族にとっては他人ごとではない、とても重要な問題だと思います。

これに対する対策は大きく2つになります。

まずは、建物に使う建材類を、このような化学物質が出ないようなものを使ってもらうということです。特に接着剤に関するところが多いので、合板類やクロスの糊などが要注意です。以前シックハウスが社会問題となった時に、このあたりもクローズアップされましたので、問題のない建材も多くなりました。最も安心なのは、無垢材や珪藻土のような自然素材を使うことですが、そうでなくても安全なものもありますので、住宅会社の方にお話ししていただくと良いと思います。

次に、換気をしっかり行うということです。

建物に使われている建材や接着剤を対策しても、家具などはまだまだ有害化学物質が含まれているものもあります。これらから発生した有害化学物質を適切に外に排出することが大事です。

また、ダニやカビなどは「湿気がこもる」ということが大きな原因です。湿気のこもったまま長期間放置をすることで、いつのまにかダニやカビが発生します。よって、家全体の換気をしっかりおこなうことでそのような状態を排除しなければなりません。

もちろん、気候の良い日は窓を開けてまめに換気を行うということも必要ですが、夏の暑い日や冬の寒い日はなかなかできないのが現実です。なので、建物自体に計画的に換気が行われる仕組みになっていることが大事なのです。

これは平成15年7月の改正建築基準法の施行によって、建築する際には換気設備の義務が定められ、基本的にはそれ以降の建築物であれば問題ないはずです。しかし、「電気代がもったいないから」とか「外の冷気が入ってくるから」などと言って換気扇を止めたり、吸気口を閉めたりすると、実際に想定の換気が行えなくなるので、暮らす際には注意してほしいところです。

建築計画をする際には、住宅会社にその換気についても「どの換気扇が大事なのか」など、詳しく聞いておくことをお勧めします。

健康住宅とヒートショック

健康住宅について、もう一つの重要なテーマが「ヒートショック」の問題です。

この「ヒートショック」という言葉は皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

よくある事例が、真冬の寒い時期に暖かいお風呂などから廊下に出ると、いきなり気温が低くなるので、血管や心臓などに負担がかかり倒れてしまうというようなケースです。特に年配の方は気をつけなければいけない命に係わることです。ヒートショックによる死者数は19000人と言われており、4000人弱の交通事故による死者数を大幅に上回っています。

この要因は、家の中に部屋や場所ごとに大幅な温度差があることです。

暖房する際に、「家全体」でなく「部屋ごと」に暖めるという考え方の家がそうなる可能性が大きくなります。そのような家は、電気代や灯油代がもったいないからリビングのドアは閉めるでしょうし、個室の部屋も同様に締め切ると思います。そうすると、リビングや部屋の中は暖かいのですが、廊下やホールにでるといきなり寒くなるというわけです。特にお風呂から廊下に出ると更に気温差が大きいのです。

わざわざ廊下にエアコンをつけることもしないと思いますので、このような家は「ヒートショック」が起こってしまう家といっても過言ではないでしょう。では、ドアを開けて廊下も温めようとすると、性能の低い家はどんどん熱が家の外に逃げてしまうので、電気代や灯油代が多くかかってしまいます。

また、先ほど挙げた換気についてですが、一般的には部屋に排気口がついているケースが多いので、暖かい空気が廊下から部屋に入ることはあっても、その逆は難しいということもあります。

もうすでに、家を建ててしまったという方は仕方がないですが、これから家を建てる方にとって、その家が「ヒートショック」が起こらないような家にするためのポイントをお教えします。

まずは、プランニングの段階から、家全体が一つの空間になる様な設計をしてほしいということです。特に、家族がいる時間が最も長い「リビング」と、「廊下」や「2階ホール」などを空気が繋がるようなプランをお勧めします。例えば、「リビングに吹き抜けを作る」とか「階段をリビング階段にする」というような方法です。更に、吹き抜けの天井にシーリングファンを付けたり、部屋にサーキュレーターなどを置いて使うことによって、家全体に暖かい空気が流れていきますので、家の中の温度差は少なくなります。

そして、更に大事なことは、建物自体の断熱性能を高めることです。

以前もこのブログで解説しましたが、現在はUA値という数値で性能を表示できるようになっているので、住宅会社に最低でもその地域の基準値以上の性能を要求してほしいと思います。

健康住宅と体感温度

そして、健康に暮らすためには感覚的なこともとても大事だと思います。

身体だけなく精神的な部分でもストレスを感じないような家にしてほしいと思います。

「体感温度」という言葉があるのですが、これは実際に人が感じる温度のことで、その部屋の図った気温と、その部屋でその人が感じる気温は異なります。

「体感温度」は以下のような式で表現することができます。

体感温度=(壁床天井の平均温度+室内気温)÷2

つまり、いくらエアコンから出てくる暖かい空気や冷たい空気が、自分の身体に触れているとしても、床や壁などが冷たかったり熱かったりすると、体感温度は不快なままということです。特に外壁部分というのは外の環境に大きく影響されるわけなので、そこをどう断熱されているかは非常に重要です。そもそもエアコンの風が嫌いな人もいらっしゃると思います。

以前も解説しましたが、断熱性能だけでなく「充填断熱」や「外断熱」のように断熱方法によっても壁の温度は変わってきます。「充填断熱」は柱などの断熱材が入らない部分はどうしても性能が悪いので、外の気温をダイレクトにうけてしまい、同じ壁面でも表面温度に差が生じてしまい、「体感温度」にも悪影響が出てしまいます。

そういう意味でも「外断熱」の方にメリットが大きいといえます。

ちなみエアサイクルの家も「外断熱」ですので、体感温度が心地よいとお施主様によく言っていただけます。

健康住宅とは

まとめると、健康住宅とは以下のような家をいうのでないでしょうか。

「有害化学物質やダニやカビが発生しない、『シックハウス』にならない家」

「家のどこに行っても気温の差が少ない『ヒートショック』が起こらない家」

「部屋の気温だけでなく、人が感じる『体感温度』も心地よい家」

そんな家に一年中暮らすことのできるというのは、身体的にも精神的にもとても健康的なことだと思います。

これらは、やはり家の計画をする段階から注意して考えなければいけないことです。

そして、これらは住宅会社によってそのスタンスは異なるので、住宅会社選びも重要です。

「エアサイクルの家」を建てる工務店はこのような「健康住宅」を大事にしている会社ばかりなので、是非参考にしていただければと思います。

資料請求はこちら
特別キャンペーン開催中!詳しくはここから 特別キャンペーン開催中!詳しくはここから
閉じる